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学校心理士の資格と仕事について

学校心理士は、教育現場で子どもが抱える心理的、社会的な問題に対処し、子どもを取り巻く環境を総合的に援助する資格です。ここでは、準スクールカウンセラーとして活躍する機会もある学校心理士の資格の概要や取得の方法などを説明します。

学校心理士とは

学校心理士

学校心理士は、日本教育心理学会、日本特殊教育学会、日本発達障害学会など、5つの関連学会が連合して運営する一般社団法人「学校心理士認定運営機構」が認定する資格です。

昨今では、教育の現場で学級崩壊やいじめ、不登校の問題が大きく取り上げられており、発達障害の子どもへの対処などにも援助が求められています。

学校心理士は、保護者や教員への援助を含め、子どもを取り巻く環境をトータルサポートする資格です。

学校心理士は、学校心理学を学問的な基盤としているため、資格申請の要件に一部大学院の修了が含まれているなど、心理士資格の中でも専門性の高い資格として注目されています。

学校心理士の資格を取得するには

学校心理士の資格を取得するには、申請書類を作成し学校心理士認定運営機構に送付した上で、資格審査試験(筆記または面接)を受ける必要があります。資格申請をするためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  1. 1.大学院で心理学関係の科目の単位を修得した上で修士課程、専門職学位課程を修了し、学校心理学に関する実務経験が1年以上ある人
  2. 2.4年制大学を卒業し、学校心理学に関する実務経験が5年以上ある人
  3. 3.大学または大学院で学校心理学関係の講義を2年以上担当し、研究論文が5つ以上ある人
  4. 4.学校の管理職または教育行政職として、心理教育的援助サービスについて指導的な役割を3年以上経験した人
  5. ※詳しい申請資格は、試験実施団体のHPを参照してください。

学校心理士の試験は、毎年8月に行われますが、どの資格要件で申請をするかによって、試験の内容(論述式、マークシート方式、面接など)が異なります。審査では、試験結果とそれまでの研究業績などを勘案して合否の判定が行われます。合格後は日本学校心理学会に入会する必要があります。

大学院で学校心理関係の科目を習得した人で、実務経験が不足している場合は、学校心理士補に申請することができます。学校心理士は5年ごとの更新制ですが、学校心理士補に更新はありません。

学校心理士の資格の難易度は?

学校心理士の勉強をする女性

学校心理士の資格は、正式な合格率は非公開ですが、専門的な実務経験が必要となるため、専門性が高く難易度は高めであるといえます。

試験は論述式、多岐選択式、面接によって行われます。また、ケースレポートの提出が必要となることもあります。

ケースレポートとは、申請時から5年以内に学校心理士スーパーバイザーから指導を受けたケースについて書いたレポートのことでA4サイズ片面10枚のものです。

スーパーバイザーの意見をどのように支援に活かしたのかについて具体的な記述が必要です。ただし、申請する類型によって受験すべき試験の種類が変わります。

審査は、学校心理士資格認定委員会において、提出された書類や筆記試験や面接、ケースレポートまたは研究等の実績について行われ、審査結果を総合して合格、不合格が判定されます。

学校心理士が活躍するフィールド

現在、学校心理士は、小・中・高校や特殊教育機関などの教育現場で支援したり、教育相談所などで各種の相談業務を行うことが多いです。

また、文部科学省のスクールカウンセラー事業では、学校心理士の資格を持つ人が「準スクールカウンセラー」として規定されています。準スクールカウンセラーは、「スクールカウンセラー」のように大学教員、精神科医、臨床心理士などの資格は必要ありませんが、臨床心理士指定大学院(専門職大学院など)を修了していなければなりません。しかし、臨床心理士や精神科医などが少ない地域では、スクールカウンセラーとして活躍することもできるようです。

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実際に学校心理士の資格を取得した人の体験談

  • 学校心理士の資格を取得後、運よく中学校でスクールカウンセラーとして採用され、働いています。最初は待遇面で若干不安がありましたが、実際は臨床心理士の資格を持っている人の待遇と違いはないようで、安心しました。
  • 学校心理士の仕事は、単に子どもたちの相談を受けたりアドバイスをしたりするだけではなく、家族、教師の方々などとの話し合い、環境改善など、総合的に働きかけることが求められます。心理学の知識・技術はもちろん、コミュニケーションスキルなどの素質も必要だなと感じます。
    時には困難に直面したり、自分自身も落ち込むこともありますが、自分の働きが人の役に立てたと感じる瞬間は、やはり大きな喜びがあります。

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