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心理カウンセラーになるために学んでおきたい心理学のひとつ、認知心理学とゲシュタルト心理学についてまとめています。
人間がある対象物を認識するときには、知覚や記憶など学習によって得た知識や情報に基づいた情報処理能力が働きます。その過程を明らかにする学問が認知心理学となります。
認知心理学において認知とは、人間が持つ情報を収集するための活動のことです。
一般的には認識と解釈されることもあります。新しく認知で得た情報は、感覚や知覚、自分が持っている記憶など、人間が経験して得た脳内の情報に基づいて判断され、新しい記憶として蓄積されたり、それを基に行動を起こしたりします。
人間が認知によりどのように考え、どのように行動するのかを研究した学問が、認知心理学です。
認知心理学の代表的な実験が錯視です。
錯視とは脳が勝手に対象物を補正・変化させて認知してしまう現象です。
質問:どちらが長く見えるでしょうか?
「ミュラー・リアーの図」
答え:長さは同じです。
解説:同じ長さの2本線に、向きの違った矢印を付けるだけで、脳が錯覚を起こして真ん中の横線の長さが違って見えてしまいます。
質問:どちらが長く見えるでしょうか?
ゲシュタルト心理学とは、個々の情報として認知するのではなく、ひとつの集合体として情報をとらえて意味を認知するという学問です。
人間の思考は部分の寄せ集めではなく、まず全体があり、個々の部分はその全体によって現われます。この全体性をゲシュタルト(形態)と呼んでいます。
例えば、点1つでは何の意味もないですが、この点が集合したときには、文字や絵として認識することができます。
音楽で例えると、音は個々の音符として認識されるのではなく、全体的なひとつのメロディーとして認識され、音の要素構成が変わっても同じメロディーに聞こえる移調という現象も知られています。
質問:下の図は何に見えるでしょうか?
答え:壺、向き合った2人の顔、両方とも正解です。
解説:壺に注目すると2人の顔は認識できなくなり、2人の顔に注目すると壺は認識できなくなます。
人間はふたつ同時には認識できないのです。
ちなみにこの図は「ルビンの壷」と呼ばれています。
人間は自分が興味を示す対象を「図」と認識し、その他を「地」として認知します。
「図」以外を「地」と認知してしまうと、「地」を自覚しなくなります。これがゲシュタルト心理学になります。