ひきこもり支援相談士は、社会的な問題となっているひきこもりやニートなどに寄り添い、第三者的な立場から援助を行う仕事です。ここでは、平成21度から始まった厚生労働省の「ひきこもり対策推進事業」によって、ますます注目されるひきこもり支援相談士の資格の概要や取得の方法について説明します。
ひきこもり支援相談士は、一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会が認定する資格です。子どもの不登校や引きこもり、若者のニートなどは、社会的にも大きな問題となっています。このような問題を抱える本人やその家族に、第三者として寄り添い、支援を行うのがひきこもり支援相談士の仕事です。
引きこもりの問題は、本人が悩み苦しむだけでなく、その家族にとってもたいへんな負担になるものです。ひきこもり支援相談士という心理カウンセラーが自宅に訪問して、本人へのサポートやメンタルケア、家族への助言を行うことで、本人も少しずつ心を開き、引きこもりから回復する第一歩となることが多いのです。
また、ひきこもり支援相談士は、必要があると判断した場合、グループホームや医療機関への中継ぎとしての役割を果たすこともあります。
ひきこもり支援相談士の資格を取得するために、学歴などの要件はありません。ひきこもり支援相談士養成講座を受講し、添削課題とレポートを提出し修了することで、ひきこもり支援相談士認定協議会から認定証書を取得することができます。
養成講座は、通学だけでなくDVDなどによる通信講座での受講も可能で、3ヶ月程度の受講で資格を取得することができます。医師、臨床心理士、訪問サポート士などの専門家が講義を担当しており、引きこもりからの回復させるために必要な知識を身に付けることができます。
ひきこもり地域支援センターなどで活躍できるひきこもり支援相談士の資格取得をするには指定の講座を受けて課題を提出することが試験となります。講座受講期間はおよそ6ヶ月で受講以外の受験資格はありません。
受験合格率は75%程度。試験の難易度はあまり高くはありません。
ひきこもり支援相談士の試験の難易度が高くない理由は以下の通りです。
このような試験制度のため、一般的な他の資格と比較して合格しやすい資格の一つ。不合格となった人は途中で課題を諦めた人のみで、本人のやる気次第でほとんどの人が合格することができます。
ひきこもり支援相談士が活躍するのは、児童相談所や教育相談所、各種医療施設等ですが、ボランティアの形で引きこもりに悩む各家庭を訪問し、援助を行うこともあります。
また、ひきこもり支援相談士の資格を取得すると、厚生労働省が設置する「引きこもり地域支援センター」や「子ども・若者総合相談センター」などに常駐して、相談窓口の相談員として活躍する機会もあります。
また、ひきこもり支援相談士認定協議会は全国に支部を設けており、こういった機関と連携することで、ひきこもりの問題を社会全体で解決していく役割を担うことが期待されています。