心理カウンセラーになるために学んでおきたい心理学のひとつ、臨床心理学についてまとめています。
臨床心理学は精神面の健康をテーマとした心理学分野のひとつ。精神的な健康状態の維持・回復を目的としており、精神医学や精神病理学とのかかわりが深いことが特徴です。
公的な心理カウンセラー資格である「臨床心理士」は、この臨床心理学を学問的な基盤としてカウンセリングや援助を行う心理の専門家です。
応用心理学のひとつとされており、精神疾患や身体的な症状で医療の対象とされる人たちへの心理学的な援助や、現在、精神的に何の問題もない人たちが、将来的に精神に起因して医療の対象にならないよう、健康の維持を図ることを目的としています。
私たち人間は苦しみや悲しみを感じたとき、自分で確立した手段や周囲からの励ましで問題を解決していきます。しかし、抱えきれない問題に直面した場合、気持ちの切り替えや周囲のサポートだけでは解決できないことがあります。
そんなときに、問題解決の手助けとなるのが、臨床心理学です。心に悩みや苦しみを抱える人に対して、心理療法やカウンセリングによって援助し、その心理療法をより効果的に行うための学問です。
臨床心理学によって解決を計れる問題は実にさまざま。学校での人間関係によるものや、仕事のストレス、さらにはうつ病や統合失調症など各種精神疾患まで、幅広い心の問題を解決に導く手助けができるのです。
人間は老いて死ぬまで、何らかの問題・課題を抱えながら、各個人の能力や状況に応じて、その問題を解決していきます。臨床心理学はよりよい問題解決の方法や援助の仕方を、観察・調査を通して研究していく学問なのです。
臨床心理学は精神医学と混同されることが多々あります。ある人の心の問題をケアする際に、臨床心理学では心理療法やカウンセリングといった方法を用いるのに対し、精神医学では処方薬などの医学的な対処を行います。
カウンセラーが行うのが臨床心理学、精神科医が行うのが精神医学だと覚えておきましょう。