心理カウンセラーになるために学んでおきたい心理学のひとつ、犯罪心理学についてまとめています。
犯罪心理学は、応用心理学のひとつに分類される学問で、犯罪をおかした人物の特性や環境要因を解析し、その後の犯罪捜査や犯罪予防などに生かすことを目的としています。
研究領域としては犯罪社会学・犯罪精神医学・刑事政策と重なる部分はあるものの、あくまでも「犯罪心理学」として区別されて用いられています。
犯罪捜査とは、証拠集めや犯行の全体像をつかむために、犯人がどのような目的で犯行におよんだのかを把握しなければなりません。
そのためには、犯罪捜査は警察関係者のみならず、各分野の有識者・専門家の知識が必要不可欠であり、犯罪心理学の視点や知識、データの提供も重要なファクターといえます。
また、犯罪心理学の目的は犯人逮捕のみならず、犯罪の減少、受刑者が二度と犯罪を起こさないために心理状態の変化に寄与することなども含まれます。
一つの「犯罪」に関わる前後関係すべてにおいて、犯罪心理学は大きな役割を担っているのです。
犯罪心理学の基礎をつくった人物として、イタリアの精神科医 チェーザレ・ロンブーゾ(1835~1909年)があげられます。
氏の犯罪者の人格に迫るという研究に基づき、20世紀になると社会学的・生物学的な側面からの人格分析が行われるようになったといわれています。
また、「精神分析」の創始者ジークムント・フロイト(1856~1939年)も、犯罪心理学のレベル底上げに寄与したと位置づけられています。