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心理療法の1つである、認知行動療法について解説します。
認知行動療法とは、ものの考え方や受け取り方(認知)、何らかの行動に働きかけることで、気持ちを楽にしたり、ストレスを軽減させる治療方法です。
認知療法、行動療法という治療法がありますが、それぞれ別々に発展し、互いに重なる領域が増えてきました。そのため欧米では1990年代になって、これらの治療法の総称として認知行動療法と呼ばれるようになってきた、という経緯があります。
認知行動療法の基本的な概念である「認知」と「行動」について説明します。
思考や考え方のこと。困難な状態でつらい気持ちの時には、状況や気分と連動したマイナス思考を持ってしまいがちです。そのようなマイナス思考を少しずつほぐしていくことが、認知療法です。
実際にやってみること、試してみること。何か困難に直面した時や、気分が落ち込んでいる時に、何をどうしたらよいかわからずに混乱してしまうことがあると思います。本人にとってやりやすいことから、できる範囲で実行していくことが、行動療法です。
認知の中には、何かの出来事があった時に、ふと瞬間的にうかぶ考えやイメージがあります。それを「自動思考」と呼んでいます。
自動思考が生まれると、それに伴って、気持ちが動いたり行動を起こしたりしますが、これは、自動思考が感情や行動に影響を与えるということを意味します。そのため、自動思考を現実的で柔軟な考え方に変えることで、その時々に感じていたストレスを軽減させることができるのです。
ストレスに対して強い心を育てるためには、自動思考に気づいて、それに働きかけることが役立ちます。
アメリカやイギリスでは、うつ病と不安障害の治療ガイドラインで、認知行動療法が第一選択肢になっています。効果は薬物療法と同等であるとみなされ、効果の持続時間はそれ以上であることが承認されています。
さらに多くの臨床研究により、うつ病と不安障害に対して効果が高いというエビデンスが明らかにされています。