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心理カウンセラーが就ける職業

心理カウンセラーの資格を持っている人は、どのような職業に就いているのでしょうか。ここでは、資格を取得することで、就くことができる仕事などをまとめてご紹介します。

心理カウンセラーとして医療機関の職業に就ける

心理カウンセラーの資格を取得すると職業として就けるのが、精神科や心療内科などの医療機関。心理カウンセラーは、医師ではないので、治療をしたり薬の処方はできません。しかし、医師が対処できない、患者さんの心の問題にカウンセリングでサポートすることが可能です。
精神科医と心理カウンセラーがそれぞれの長所を活かしながら協力し、相談に乗っていきます。
心理テストを実施したり、医師の診察前の心理面接なども担当します。
また医療機関でカウンセラーが求められるのは、精神科や心療内科だけではありません。ホスピスや小児科でも必要とされる場合があります。心理カウンセラーでも、医療に関するケースを専門に扱う場合は、医療カウンセラーあるいはソーシャルワーカーと呼ばれることがあります。専門性が高まるにつれて、期待される仕事も増えていきます。患者さんとの面談だけでなく、患者さんの家族の悩みや相談を受けるのも医療カウンセラーの大切な仕事です。
相談者の困りごと、悩み事を解決するために、医療に関する専門家や関係機関との調整を行い、社会復帰のサポートを行うのも医療カウンセラー、ソーシャルワーカーの仕事です。

医療機関で働くために求められる資格

心理カウンセラーの資格は、様々な教育機関で得ることができますが、医療機関への就職は臨床心理士か社会福祉士、精神保健福祉士の資格が必要なケースが多いようです。社会福祉士、精神福祉士は、福祉系の4年制の大学か4年制専門学校での卒業が受験資格です。臨床心理士は、心理系の4年制大学卒業に加えて、専門大学院の卒業も必要です。
心理カウンセラーの資格だけで、医療機関に就職するには、かなりの実務経験が必要です。

労働者の強い味方、産業カウンセラーとして活躍

産業カウンセラーは、主に企業内の仕事のストレスなどにより、心身のバランスを崩した従業員に対し、相談室などでカウンセリングを行います。産業カウンセラーは、その会社に勤務する労務・人事担当部門の社員が担当するケースが多いようです。
方法としては、まず企業に就職する必要があります。基礎的な心理学の知識はもちろん、産業カウンセラーの資格を持っていると有利になります。

働く人の心の問題は、過労によるストレスやパワハラ、セクハラといった訴えにくいハラスメント問題、様々な人間関係のトラブル、成果へのプレッシャーなどにより、ますます深刻化しています。最近、耳にすることが多い「働き方改革」という言葉も、働く人へのプレッシャーを環境面、制度面からサポートしようとする動きの1つです。
しかし、環境、制度が変わるにはまだまだ時間がかかります。制度ができても、それだけでは救いきれない心の悩みも多く残ることでしょう。産業カウンセラーは、そのような環境で頑張る労働者に寄り添える、大変やりがいのある仕事です。

しかし、企業によっては、外部機関にカウンセリングを委託していることもあります。そのような場合、週何日と決めてその企業に行き、カウンセリングを担当します。
産業カウンセラーとして活躍するなら、特定の企業への就職よりも、そのような外部機関への就職を目指す方がチャンスは広がりそうです。

産業カウンセラーとして働くために求められる資格

心理カウンセラーの資格もあって不利になることはありませんが、「産業カウンセラー」という専門資格があるので、こちらも取得しておきたいところです。産業カウンセラー資格は、一般社団法人日本産業カウンセラー協会によって運営される民間資格です。国家資格である、臨床心理士や精神保健福祉士に比べると、取得のハードルが低く、働きながらでも学ぶことができる資格です。
受験資格は、産業カウンセラー養成講座を修了するか、大学院で所定の専攻を学び、所定の単位を取得することです。産業カウンセラー養成講座は通学だけでなく、通信でも受講できるので(12ヶ月)社会人の方でも挑戦できる資格です。

民間のカウンセリングルームで活躍

民間のカウンセリングルームで、登録カウンセラーとして働くという選択肢もあります。このようなカウンセリングルームには、様々な案件を総合的に扱うところ、離婚や結婚に関する案件を扱うところ、就職や転職などのキャリアカウンセリングを扱うところ、など様々な種類があります。自分の得意分野を選んだり、逆にもっと深く取り組みたい分野を選んだり、自身のキャリア形成にも役立つ可能性もあります。
応募条件も厳しいところから、緩めのところまで様々なので、いろいろ探して当たってみるのがよいでしょう。

ボランティアの電話相談員で経験を積む

社団法人やNPO団体による電話相談では、ボランティアの相談員が無報酬で担当していることが多くあります。
内容は、よく知られている「いのちの電話」やいじめ相談、虐待相談など身近な問題が多い傾向があります。特に資格は求められませんが、その団体が実施する研修や勉強会に参加する必要があります。心理カウンセラーとして資格は取れても、大変なのは実務経験で学ぶことです。このようなボランティアのカウンセリング活動は、カウンセラーとしてステップアップできるよい経験になります。

地域密着型のスクールカウンセラーで子どもの心をケア

文部科学省が、スクールカウンセラー事業を推進していることで、全国の小・中・高校で「スクールカウンセラー」の導入が増えています。スクールカウンセラーになるには、臨床心理士、精神科医、大学教員などの資格が必要。スクールカウンセラーの9割以上が臨床心理士になっています。臨床発達心理士学校心理士の資格を持っていると、「準スクールカウンセラー」として教育現場で活躍することができます。

スクールカウンセラーは、学校における子どもの心の悩みを取り扱う仕事です。子どもの不登校やいじめの問題は年々増えており、スクールカウンセラーに期待される役割も大きくなっています。一方、教員の心の問題に対処することも多くなっており、幅広いカウンセリング能力が求められる職業です。場合によっては、その地域の医療機関や児童相談所、グループホームなどとの橋渡し役となることもあります。地域に密着し、多方面から心の問題を扱っていく気構えも必要です。