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ここでは、心理療法の基本的な種類の1つである、認知療法についてまとめています。
認知療法とは、アメリカの精神科医、アーロン・ベックが創始した心理療法の一種です。
ある出来事の解釈には大なり小なり誤解や思い込みが含まれており、客観的な事実とは必ずしも一致しないという点に着目。人のネガティブな感情(抑鬱・怒り・悲しみ等)は、ほとんどがこうした誤解や思い込み、拡大解釈によるものから生まれるのではないか、という仮定を背景にしています。
そのため認知療法では、習慣化してしまったネガティブなモノの捉え方(=認知)を改善することを目標に、様々な試みがなされていきます。
認知療法でもっとも大切なことは、「自分が事実をどのようにゆがめて解釈しているか」に気づくことです。
そのために、まずは自分がどのような状況に置かれているか、何をどう感じているか、そう感じる根拠は何か、などを徹底的に紙に書きだしていきます。
文字に起こすことで多角的に物事を捉えられるようになり、マイナスに偏り過ぎない客観的な認知を習慣づけることができる、というわけです。
文字に書きだすという手段はあくまでも一例ですが、自分のモノの考え方に偏りがないかを常に意識することで、沈みがちな気分を解消できるとされています。
認知療法は、ネガティブな思考や人見知り、うつ、対人恐怖症、生きにくさといった、幅広い症状に効果が認められています。
なんでも認知療法が生まれたアメリカでは、すでに抗うつ剤以上の効果がある治療法と言われているそう。自分の内面を知りたい・改善したいという意思があれば、高い確率で改善が見込めるはずです。
認知療法が適用できないケースは基本的にありませんが、重いうつで脳や自律神経が疲れてしまっている場合などは、まず脳機能や神経の回復をしてから認知療法に臨むという手順が取られます。
また、能動的に自分の考え方を変えていく治療法であるため、治療させたいからと強制的に実践することはできません。
その点では、カウンセラーと二人三脚で自分を変えていく、オーダーメイドの心理療法とも言えそうです。