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内観療法

患者の過去から現在まで、客観的に事実を捉えなおしていく「内観療法」。基本的な方法はシンプルですが、症状や場所によって種類がいくつかあります。

前向きな認知へと導く内観療法とは?

内観療法とは、おもに精神疾患を治療するために、過去からの具体的な事実を回想させるという治療法です。

精神疾患には、夫婦の不仲、不登校、うつ状態なども含まれます。簡単なように思えますが、思い出したくない過去を蒸し返すのは、患者にとって、かなりつらい作業。患者の気持ちに寄り添いながら、症状の改善をサポートする必要があります。

具体的な方法は、「いつ、誰に、何をしてもらったか、何をしてあげたか、どんな迷惑や心配をかけたか」を思い出させていきます。例えば、小学校4年生の時の、母親との関係の場合なら、

何をしてもらったか

 →私の好きなグラタンを作ってもらった

何をしてあげたか

 →母親が風邪で寝込んだとき、おかゆを作ってあげた

どんな迷惑や心配をかけたか

 →夜遅くまで友達の家で遊び、連絡もせず心配をかけた

という具合に、3つの質問に対して具体的に記憶を掘り起こします。その際、内観について未熟な人がパートナーだったり、症状が改善されない患者が一人で内観を行ったりすると、苦痛な過去をほじ返す形になって逆効果です。

患者の過去を客観的に調べ、治療中に患者の状態が荒れても対処できる医療従事者や経験の豊富なカウンセラーに付き添ってもらうことが大切です。

内観療法は症状が重い場合にも適用でき、誤った過去の認知から、ポジティブな認知へと導く療法として注目されています。

内観療法の種類

病院内で行う内観療法には、いくつかの種類があり、立ち会う人数や症状の重さなどによって、8種類に分けられます。

  1. ゆったり内観…おもに入院して間もない患者。日記を残す方法。
  2. 日常内観…上記①の患者より症状やや重め。
  3. 内観室内観…うつ状態、拒食症などの患者。集中的に内観を行う。
  4. 自室内観…プライバシーを守りたい患者に対して行う。
  5. 保護室内観…重症患者に対して、保護室で行う。
  6. 抑制時記憶回想療法…警察から抑制され来院したとき、薬物依存を併発させないために行う。
  7. 家族同時内観…家族と一緒にスキンシップをとりながら行う。
  8. 親子同屏風内観…親子が同じ屏風内で内観しあう。

このように、さまざまな内観療法があります。本人だけでなく、家族や医療者も共に、患者の過去に向き合うことが大切です。

内観療法による改善例

実際に内観療法を経験した女性の話です。治療に成功したことで、いまでは前向きに、自分のことを捉えているようです。

いろんな理由で「死にたい…」と思って、リストカットや睡眠薬で自殺を図っていました。自分の血を見ると、生きている実感がわいて、安心できたんです。

ある時、友達に発見され、自分でもマズイと思ったことがきっかけで、精神科へ。カウンセリングや服薬では、あまり効果はなかった気がする。リストカットはおさまったけど、切りたい気持ちに変わりはない。逆に、「生きている実感」がないので、つらかったです。

内観療法をはじめて、少しずつ、自分の身体をいじめている、母から頂いた身体をキズつけていると気づきました。内観は最初つらくて、やめたいと思ったけど、私はなんて幸せなんだろう、病気になって逆によかったと思い、将来の夢も見つけることができました。

私たちは、さまざまなことをネガティブに捉えがちで、最近では精神が病んでしまうケースも少なくありません。内観療法の役割は、過去を客観的に振り返ることで、自分の幸せに気づく作業なのかもしれません。